嫌われない「No」の言い方。頼みを断れない人のための心理学「アサーション」入門

人間関係・個性
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「急な仕事を頼まれたけど、自分の手も一杯だ……」 「行きたくない飲み会に誘われたけど、断ると空気が悪くなりそう」

そうやって自分の気持ちを飲み込み、笑顔で「いいですよ」と引き受けてしまっていませんか? 後になって「なんで断れなかったんだろう」と自己嫌悪に陥る。そんな「いい人」ほど、ストレスで心を病んでしまいがちです。

心理学には、相手を尊重しつつ、自分の意見もしっかり伝えるアサーション(アサーティブ・コミュニケーション)という技術があります。 今回は、人間関係を壊さずに「No」を伝える、魔法の公式をご紹介します。

あなたはどのタイプ? 3つの自己表現

アサーションでは、コミュニケーションを3つのタイプに分類します。

  1. ドラえもんのジャイアン(攻撃型): 自分の意見を押し通し、相手を無視する。「俺の言うことが聞けないのか!」
  2. のび太くん(非主張型): 相手に合わせて、自分を犠牲にする。「僕さえ我慢すれば……」
  3. しずかちゃん(アサーティブ型): 自分の気持ちも大事にしつつ、相手の気持ちも考える。「私はこうしたいの。あなたはどう?」

多くの人は「ジャイアンになりたくないから、のび太になる」という極端な選択をしてしまいます。しかし、目指すべきは「しずかちゃん」です。 「断ること」は「相手を否定すること」ではありません。 誠実なコミュニケーションの一部なのです。

断り方の公式「クッション言葉+代替案」

では、具体的にどう言えばいいのでしょうか? いきなり「無理です」と言うのは角が立ちます。そこで使えるのが「代替案(だいたいあん)」のテクニックです。

【悪い例(のび太型)】

「あ、えっと……はい、大丈夫です(本当は嫌だけど)」

【良い例(アサーティブ型)】
  1. クッション(感謝・謝罪): 「声をかけてくれてありがとう」「頼りにしてくれて嬉しいんだけど」
  2. No(現状): 「今は手一杯で、それを引き受けることができないんだ」
  3. 代替案(譲歩):来週の火曜日ならできるよ」 「全部は無理だけど、ここだけなら手伝えるよ」

ポイントは、ただ断るのではなく「条件付きのYes」や「別の日程」を提示することです。 これにより、相手は「拒絶された」とは感じず、「調整してくれようとしている」という前向きな印象を持ちます。

「No」は自分への「Yes」

断ることに罪悪感を感じる必要はありません。 あなたが何かに「No」と言うことは、あなたの時間や、本当に大切にしたいことに「Yes」と言っているのと同じだからです。

まずは小さなことから練習してみましょう。 コンビニで「レシート入りますか?」と聞かれたら、はっきりと、でも笑顔で「いいえ、結構です」と言ってみる。 そんな小さな「断る勇気」の積み重ねが、あなた自身を守る強力な盾になります。

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