「最近、感動して泣くことがなくなった」 「やる気が出ないけど、難しい本を読む元気もない」
そんなお疲れ気味の夜には、映画の力を借りてみませんか? 心理学には「シネマ・セラピー(映画療法)」という分野があり、映画のストーリーを通じて感情を解放したり、凝り固まった認知(物ごとの捉え方)をほぐせることが分かっています。
今回は、ポジティブ心理学の観点から、観るだけで心が軽くなる「処方箋」のような映画を5本ご紹介します。
1. 感情デトックスの決定版
『インサイド・ヘッド』(原題:Inside Out)
- あらすじ: 11歳の少女ライリーの頭の中にいる5つの感情(ヨロコビ、カナシミ、イカリ、ムカムカ、ビビリ)たちの冒険物語。
- 心理学的見どころ: 「悲しみの役割」 主人公の「ヨロコビ」は最初、ネガティブな感情である「カナシミ」を排除しようとします。これはまさに、私たちが陥りがちな「無理なポジティブシンキング」そのものです。しかし物語の後半、ライリーを救うのは「カナシミ」の力でした。「悲しみは、助けを求めるシグナルであり、人と人を繋ぐ接着剤である」というメッセージは、自分の中のネガティブな感情を許すきっかけになります。
2. 自己肯定感を爆上げする
『グレイテスト・ショーマン』(原題:The Greatest Showman)
- あらすじ: 19世紀に実在した興行師P.T.バーナムの成功と挫折を描くミュージカル。
- 心理学的見どころ: 「これが私だ(This Is Me)」 様々なコンプレックスを持つ出演者たちが、世間の偏見に立ち向かい「これが私だ!」と歌い上げるシーンは圧巻です。心理学でいう「自己受容(Self-Acceptance)」のエネルギーに満ちており、観るだけで理屈抜きに「自分もこのままでいいんだ」という高揚感(自己効力感)を得られます。
3. 仕事のレジリエンス(回復力)を鍛える
『プラダを着た悪魔』(原題:The Devil Wears Prada)
- あらすじ: ジャーナリスト志望の主人公が、悪魔のようなファッション誌編集長のアシスタントとして奮闘する。
- 心理学的見どころ: 「リフレーミング(意味の変え直し)」 最初は理不尽な命令に愚痴ばかり言っていた主人公が、ある助言をきっかけに「私はこの仕事で何を得られるか?」と視点を切り替えます。環境は変わっていないのに、彼女の行動が変わることで周囲(鬼上司)の反応も変わっていく様子は、仕事に悩むすべての人に勇気を与えます。
4. 過去や未来にとらわれない
『フォレスト・ガンプ/一期一会』(原題:Forrest Gump)
- あらすじ: 知能指数は低いが純真な心を持つフォレストが、アメリカの激動の歴史を駆け抜ける。
- 心理学的見どころ: 「マインドフルネス(今、ここ)」 フォレストは、過去を悔やんだり未来を憂いだりしません。ただ目の前のことに全力で取り組み(走り)、結果として成功を掴みます。「人生はチョコレートの箱のようなもの。開けてみるまで分からない」というセリフは、不確実な未来への不安を和らげてくれます。
5. 年齢を言い訳にしない
『マイ・インターン』(原題:The Intern)
- あらすじ: 若き女社長の会社に、70歳のシニアインターンがやってくる。
- 心理学的見どころ: 「世代を超えた強みの交換」 最新のITスキルを持つ若者と、人生経験という知恵を持つ老人。互いの「強み(Character Strengths)」を尊重し合う関係性は、ポジティブ心理学が理想とする人間関係の形です。孤独を感じている時に観ると、温かい気持ちになれます。
まとめ:感情は「出し切る」ことが大事
気になる作品はありましたか? 映画を観て涙を流すことは、ストレスホルモンを体外に排出する効果があるとも言われています。今度の休日は、部屋を少し暗くして、映画の世界にどっぷりと浸ってみてください。

