世界が変わって見えるのはなぜ?脳の自動検索システム「RAS(ラス)」の秘密

ポジティブ心理学
ポジティブ心理学

「最近、新しいスニーカーが欲しいな」と思った途端、街中で急にそのスニーカーを履いている人が目に付くようになった……そんな経験はありませんか?

あるいは、騒がしいパーティー会場でも、自分の名前が呼ばれるとハッキリ聞き取れる(カクテルパーティー効果)。

実はこれ、偶然ではありません。あなたの脳に備わっているRAS(ラス)という高性能なフィルター機能の仕業なのです。

今回は、ポジティブシンキングを単なる「気の持ちよう」から「脳の使い方の技術」へと変える、RAS(脳幹網様体賦活系)の心理学について解説します。

脳は「見たいもの」だけを見ている

私たちの脳には、毎秒とてつもない量の情報(視覚、聴覚、触覚など)が流れ込んできます。そのすべてを処理していたら、脳は瞬時にパンクしてしまいます。

そこで脳は、エネルギーを節約するために、情報の99%を「無視」し、自分にとって重要だと判断した情報だけを「通過」させるフィルターを持っています。これがRAS(Reticular Activating System)です。

つまり、私たちは客観的な世界を見ているようで、実は「関心がある情報」だけを切り取って見ているのです。

「運が悪い」は脳が作っている?

このRASの機能は、メンタルヘルスにおいて諸刃の剣となります。

もしあなたが「自分はダメな人間だ」「今日は最悪な日だ」と考えていると、RASはそれを「重要なキーワード」として認識します。 すると、脳はGoogle検索のように、現実世界から「ダメな理由」や「嫌な出来事」を必死に探し出し、あなたに見せつけます。

  • 同僚の不機嫌な顔
  • 電車が遅れたこと
  • 自分の小さなミス

これらが次々と目に飛び込んでくるため、「ほら、やっぱり自分はダメだ」という信念が強化されてしまうのです。

RASをポジティブに再設定する

逆に言えば、このフィルター設定を変えれば、見える世界は一瞬で変わります。

「今日は何かいいことがあるかな?」と問いかけること。あるいは、前回の記事で紹介した「「3つの良いこと(3 Good Thins)」」を探すこと。 これらは、RASの検索キーワードを「良いこと」に書き換える作業に他なりません。

キーワードが変われば、RASは今まで無視していた「道端の花」や「誰かの親切」「小さな成功」を拾い上げ、あなたの意識に届けるようになります。

まとめ:世界はあなたの検索ワードでできている

ポジティブシンキングとは、無理やり現実を歪めることではありません。RASという脳のフィルター機能を使いこなし、埋もれていた「ポジティブな事実」に気づく感度を上げる技術なのです。

今、あなたのRASにはどんな言葉が入力されていますか? もしネガティブな言葉が入っているなら、意識的に「検索ワード」を変えてみましょう。世界は、あなたが探しているもので溢れています。

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