「今日も一日、疲れただけで終わってしまった……」 「失敗したことばかり思い出して、眠れなくなる」
夜、ベッドに入ってふと一日を振り返ったとき、このような溜め息をついていませんか?
人間の脳は、放っておくと自然に「ネガティブなこと」を探すようにできています。これは危険から身を守るための本能なので、あなたが悪いわけではありません。 しかし、この本能のまま生きていると、幸福度はなかなか上がりません。
そこで今回は、ポジティブ心理学において「最も手軽で、最も効果が高い」と言われる基本のエクササイズ「スリーグッドシングス(3 Good Things)」をご紹介します。
ペンとノート、もしくはスマホがあれば、今日からすぐに始められます。
脳を「幸せ探しモード」に切り替える
スリーグッドシングスとは、その名の通り「3つの良いこと」を記録するワークです。 やり方は驚くほどシンプルですが、その効果は科学的に証明されています。
具体的なやり方
- タイミング: 夜、寝る直前に行います。
- アクション: 今日あった「良かったこと」を3つ書き出します。
- ポイント: 可能であれば、「なぜそれが良かったのか(起きたのか)」を一言添えます。
これだけです。所要時間は3分もかかりません。
「良いこと」のハードルは下げていい
多くの人がここで躓くのが、「そんなに良いことなんて毎日起きない」という思い込みです。 ここで書く内容は、大きな成功や特別なイベントである必要は全くありません。むしろ、日常の些細なことのほうが効果的です。
- OKな例:
- お昼に食べたパスタが美味しかった。
- 空が綺麗に晴れていた。
- 電車で座れた。
- 仕事でミスをしたけど、早めに報告できてよかった。
「こんなことでいいの?」と思うような内容で十分です。 重要なのは、内容の豪華さではなく、「今日という一日の中から、良い側面を探し出す」という脳のプロセスそのものだからです。
なぜ効果があるの?1週間で半年続く効果
提唱者のマーティン・セリグマン博士の研究によると、このワークをたった1週間続けただけで、その後半年間にわたって幸福度が向上し、抑うつ度が低下したという驚くべき結果が出ています。
私たちの脳には可塑性(かそせい)といって、使えば使うほどその回路が太くなる性質があります。 毎晩「良いこと」を探す習慣をつけると、脳は日常生活の中でも無意識に「良いこと」をサーチするようになります。これを「カラーバス効果」や「テトリス効果」と呼びます。
つまり、現実が変わったわけではないのに、脳のフィルターが変わることで、世界が明るく見えるようになるのです。
今夜から始めてみよう
まずは今夜、騙されたと思って3つ書き出してみてください。 専用のノートを用意するのも素敵ですが、最初はスマホのメモ帳アプリでも構いません。
「今日は何もなかった」と思う日でも、無理やりひねり出してみる。その「探す行為」こそが、あなたのメンタルを鍛える筋トレになります。
もし3つ思い浮かばなければ、「今日も無事に一日を終えられた」ということ自体が、素晴らしい「グッドシングス」の一つです。

