「言葉には力がある」とよく言われますが、これは単なる比喩ではありません。 心理学には「プライミング効果」という用語があり、私たちが普段目にしたり口にしたりする言葉が、無意識のうちに行動や思考に大きな影響を与えることが分かっています。
つまり、良い言葉に触れることは、脳に対する「ポジティブな情報のインストール」作業なのです。
今回は、数ある名言の中から、ポジティブ心理学の理論と合致する「科学的にも理にかなった4つの言葉」を厳選してご紹介します。
1. ストレスの正体を暴く言葉(エピクテトス)
「人は出来事によって悩まされるのではない。その出来事に対する『受け取り方』によって悩まされるのだ」 ―― エピクテトス(古代ギリシャの哲学者)
【心理学的解説】 これは、記事で紹介した「ABC理論」そのものです。 2000年も前の哲学者が、現代の認知行動療法の基礎となる真理をすでに見抜いていたことに驚かされます。 上司に怒られたこと(出来事)自体は、あなたを傷つけません。それを「私がダメだからだ」と解釈した時に初めて、傷が生まれます。 辛い時はこの言葉を思い出して、「今、自分の『受け取り方』を変える余地はないか?」と自問してみましょう。
2. 脳の可塑性を証明する言葉(ウィリアム・ジェームズ)
「私の世代の最大の発見は、人間は『心の持ち方』を変えるだけで、人生を変えられるということだ」 ―― ウィリアム・ジェームズ(アメリカ心理学の父)
【心理学的解説】 かつて脳の性能は生まれつき決まっていると思われていました。しかし現代の脳科学は「神経可塑性(ニューロプラスティシティ)」、つまり脳は大人になっても書き換え可能であることを証明しました。 「心の持ち方(思考)」を変えることは、脳の物理的な配線を変えることと同義です。性格は変えられなくても、思考の癖はいつからでも変えられます。
3. 失敗を再定義する言葉(トーマス・エジソン)
「私は失敗したことがない。ただ、1万通りの『うまくいかない方法』を見つけただけだ」 ―― トーマス・エジソン(発明家)
【心理学的解説】 これぞまさに、記事で紹介した「グロース・マインドセット(成長思考)」の極致です。 エジソンにとって、実験の失敗は「才能の欠如」を示すものではなく、成功へ近づくための貴重な「データ」でした。 「失敗」というラベルを「発見」に貼り替えるだけで、私たちの行動力は劇的に向上します。
4. 習慣の力を説く言葉(アリストテレス)
「人は、繰り返し行うことの集大成である。したがって、優秀さとは行為ではなく、習慣なのだ」 ―― アリストテレス(古代ギリシャの哲学者)
【心理学的解説】 ポジティブシンキングが一朝一夕で身につかない理由がここにあります。記事にて紹介したように、私たちの人生の40%以上は「習慣」でできています。 今日一度だけポジティブに考えることより、毎日3分間の「3 Good Things(記事)」を続ける方が、人生を変える力はずっと大きいのです。
まとめ:言葉をお守りにする
いかがでしたか? もし気に入った言葉があれば、手帳に書き写したり、スマホの壁紙に設定してみてください。 ふとした瞬間にその言葉が目に入ることで、脳は自動的にその思考モード(プライミング)に切り替わります。
言葉は、一番手軽で、一番強力なメンタル・サプリメントです。

